ソース作りの基本 〜素材の味を確かめてから決める味付け
先日の動画では、「ソースの味を決めるために必ずやるべき大事なこと」についてお話ししました。これはソースだけでなく、どんな料理にも共通する基本中の基本です。以下にポイントを整理しておきます。
✔ 素材は使用前に“生で味見”
- ソースに使う素材(野菜・ハーブ・出汁・調味料など)は、火を通す前の“生の状態”でひと口味見をしましょう。
- 素の味、つまりそのものが持つ甘み・酸味・苦味などを理解することが、調味の第一歩です。
✔ 分量・調味は素材の味に合わせて調整
- 味見した素材の強さ・弱さ、風味を基準に、ソース全体の塩分・甘味・酸味をどうするかを決めます。
- 調味料は最初から全部入れずに、少しずつ試しながら加えていくのがベスト。
これらのステップを踏むことで、「なんとなく足りない/余分な味がする」という失敗を防げます。
✅ 料理全般に共通する心得
この“生で味見して、素材の味で分量を決める”という方法論は、ソース作りに限らず、以下のような場面でも活きます:
- スープや煮込み料理:ベース素材の出汁感を知ることで調味のバランスが取りやすくなる。
- サラダ・マリネなどの生食:素材そのものの鮮度・水分・風味を見極めることでドレッシングの合わせ方が変わる。
- 焼き物・炒め物など火を使うもの:焼く・炒める前の状態で素材のクセや甘さをイメージできれば、味付け・火の通し加減がうまくいく。
💡 試してみてほしいこと
- いつも作るソースや料理で、“素材の生味見”を取り入れてみる。
- 味見後、少なめの調味料で始めて、素材を活かす方向で味を重ねていく。
- 複数人で作るなら、味の違い(人による感じ方の差)を確認してみるのも面白い。
プロフィール:シェフ Hissa(Hisayuki Takeuchi)
フランスでは「シェフ Hissa(ヒサ)」として知られる Hisayuki Takeuchi(竹内 壽幸/たけうち ひさゆき) は、東京でフランス料理の道を歩み始め、その後フランスへ渡り、現在はパリで活躍する料理人・オーナーシェフです。(Wikipédia)
- 愛媛県西予市出身。幼少期から家庭での食を通じて料理に親しむ。
- 日本でフランス料理を学んだ後、1985年にフランスへ。
- パリで料理店「Kaiseki」を開業。「懐石料理」をベースにしつつ、素材感や繊細さを重視するスタイルが特徴です。
- また、「École du Sushi(スクール・ドゥ・スシ)」を設立するなど、日本料理と日本文化をフランスで紹介する活動にも力を入れています。(Wikipédia)